出典
「社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)」
メモ
(社会教育の定義)
第二条 この法律において「社会教育」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む。)をいう。
上記は社会教育の定義だ。簡潔にまとめると学校教育以外の部分と言えるだろう。また、「レクリエーシヨン」も含まれていることは興味深い。娯楽としての活動、観光的な観点が入っていると言えるだろう。
(市町村の教育委員会の事務)
第五条 市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、社会教育に関し、当該地方の必要に応じ、予算の範囲内において、次の事務を行う。
(筆者中略)
四 所管に属する図書館、博物館、青年の家その他の社会教育施設の設置及び管理に関すること。
五 所管に属する学校の行う社会教育のための講座の開設及びその奨励に関すること。
六 講座の開設及び討論会、講習会、講演会、展示会その他の集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。
七 家庭教育に関する学習の機会を提供するための講座の開設及び集会の開催並びに家庭教育に関する情報の提供並びにこれらの奨励に関すること。
八 職業教育及び産業に関する科学技術指導のための集会の開催並びにその奨励に関すること。
九 生活の科学化の指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
十 情報化の進展に対応して情報の収集及び利用を円滑かつ適正に行うために必要な知識又は技能に関する学習の機会を提供するための講座の開設及び集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。
(筆者中略)
十四 青少年に対しボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関すること。
十五 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して学校、社会教育施設その他地域において行う教育活動その他の活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関すること。
(筆者中略)
十八 情報の交換及び調査研究に関すること。
十九 その他第三条第一項の任務を達成するために必要な事務
上記は社会教育を達成するために、市町村の教育委員会が実施すべき事務のうち、博物館等施設が主に実施している事項を抽出した。また、気になった部分を筆者が下線を書き込んだ。
まずは全て確実に行う必要がある訳ではなくあくまでも「予算の範囲内」での実施事項である。そのため、教育予算が減った場合、上記の実施内容が縮小されることも考えられるだろう。その結果、予算が潤沢な時に博物館等がどんどん作られ、予算が減らされた瞬間に潰されるという事象が発生してしまうとも考えられる。
社会教育の実施内容は幅広いが、その中でも特筆されている事項もある。それが、「家庭教育に関する学習の機会」「情報の収集及び利用を円滑かつ適正に行うために必要な知識又は技能に関する学習の機会」「社会奉仕体験活動」「ボランティア活動」「自然体験活動」だ。
これらを予算の範囲で「教育」するのが社会教育のミッションと言えるだろう。
(図書館及び博物館)
第九条 図書館及び博物館は、社会教育のための機関とする。
2 図書館及び博物館に関し必要な事項は、別に法律をもつて定める。
社会教育の主な施設として図書館、博物館、公民館があるが、図書館と博物館はそれぞれ別の法律にて定められている。公民会については5章に書かれている
(目的)
第二十条 公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。
上記のように公民館の目的は幅広いことが求められている。具体的な事業は下記の通り
(公民館の事業)
第二十二条 公民館は、第二十条の目的達成のために、おおむね、左の事業を行う。但し、この法律及び他の法令によつて禁じられたものは、この限りでない。
一 定期講座を開設すること。
二 討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。
三 図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。
四 体育、レクリエーシヨン等に関する集会を開催すること。
五 各種の団体、機関等の連絡を図ること。
六 その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。
正直、これだけであまりどんなことをすべきなのかわからない。住民のニーズ等でも実施事項は変わってくるものなのだろう。一方で禁止事項は下記の通りである。
(公民館の運営方針)
第二十三条 公民館は、次の行為を行つてはならない。
一 もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。
二 特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。
2 市町村の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、又は特定の教派、宗派若しくは教団を支援してはならない。
つまり、特定の企業や政党、宗教が利することはしてはならないということだ。