出典
中谷友樹(2018)「夜の灯りに基づく社会経済指標の推定 ~DMSP/OLSからSuomi NPP/VIIRS-DNBへ~」,『映像情報メディア学会誌』,72 (7) p. 569-573
メモ(引用を含む)
衛星画像と地理的な社会経済指標の推定、モニタリングをめぐる研究動向について解説した論文。
DMSP/OLS | Suomi-NPP/DNB | |
波長 | 0.49-0.95μm | |
撮影時間 | 20:00-21:00 | 01:30ごろ |
解像度 | 3-5km | 0.7km |
値 | 0-63 | |
取得期間 | 1992-2013 | 2012-現在 |
上記以外にもDMSPはBlooming(光の溢れ出し)と呼ばれる現象があり、光がない領域でも光の観測値が記録された。
※Suomi-NPP衛星のセンサ群VIIRSに搭載された可視近赤外センサDNB(Day/Night Band)
DMSP-OLPの光画像データは感度が統制されていない。また観測地が飽和してしまう問題もある。
一方、Suomi-NPP/VIIRS-DNBは明るさの絶対値を直接記録している。
中国の省別の社会経済統計と光量との相関関係について、VIIRS-DNBと DMSP/OLSのデータを比較したところ、VIIRS-DNBによるものが強い相関関係を示すことが報告されてる(下記参照)。
ただし、経済指標の代わりにするにも問題がある。
省エネルギーを目的とした環境政策が余分な夜間の照明を削減した可能性もある。またVIIRSーDNBセンサはLEDの光が捕捉しづらいとされている。経済指標として利用するにはまだまだ研究が必要だろう。
感想、コメント
DMSP/OLSとSuomi-NPP/DNBの違いは世代が異なり、性能が異なるだけだと思っていたが、かなり異なるデータであるとわかった。光害関係の論文ではどちらを使用しているか確認する必要があるし、注意して使用する必要があるだろう。